eftax-lab

磯野 凌輔

大学生の頃よりeftaxのインターンシップに参加し、事業会社様のプロジェクトにも取り組んでいます。現在は、東京工業大学情報理工学院のMDILabに所属。人工衛星から地表を観測して得られる衛生画像を扱った研究をしています。

人工衛星に搭載される画像センサは、空間解像度・スペクトル解像度・時間解像度という3つの解像度で特徴付けられます。

空間解像度が高いセンサは、空間的に細かく撮影することができ、地形の形状のような空間的形状を詳細に知りたい場合に便利です。スペクトル解像度が高いセンサは、光のスペクトル情報を詳細に取得でき、人には同じように見えるが実際には異なるモノを識別できます。そのため、どこにどういった物質が含まれるか調べる分析に便利です。時間解像度が高いセンサは、高い頻度で同じ場所を撮影することができ、開発中の都市など時間的変化が激しい場所の撮影に向いています。

衛星画像を使って色々分析したい場合、すべての解像度が高いセンサを使いたいものですが、実際にはそうはいきません。3つの解像度の間にはトレードオフの関係があり、どれかを優先すると他の解像度は下がってしまうからです。

そこで、解像度が異なる複数のセンサで撮影された画像たちを合成することで、実際には撮影できない全ての解像度が高い画像系列を推定しようという研究をしています。この問題は、空間・時間・スペクトル解像度が異なる画像たちを合成するのでSpatio-Temporal-Spectral合成(STS合成)と呼ばれています。

私は、この STS合成に対して、今流行りの深層学習ではなく、数理最適化というアプローチで取り組んでいます。このアプローチによって、学習できるほど大量のデータが用意できない場合でも高精度な合成が可能になります。また、人工衛星から観測される衛星画像は、我々が普段スマホやデジカメで撮る画像と違って、観測の原理上、様々なノイズやデータの欠損といった劣化が避けられないのですが、私の開発している手法は、このような劣化に対してロバストであるような設計になっています。

修士課程に入ってからSTS合成の研究を始めましたが、修士1年のうちに、ICASSPという信号処理界隈でのフラグシップ国際会議に一本論文が採択され、その成果が国際的に認められました[*1]。今後も、より多くの種類のノイズへの対応や合成用データの自由度の向上といった、更に汎用性の高い手法を目指して、STS合成の研究をしばらくは続けていくつもりです。

Publications
  • [*1] ICASSP2023で発表した査読済み論文

Ryosuke Isono,Kazuki Naganuma,Shunsuke Ono, 「Robust Spatiotemporal Fusion of Satellite Images via Convex Optimization」, IEEE, 05 May 2023, DOI: 10.1109/ICASSP49357.2023.10095246

  • IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensingに投稿した査読待ちの論文

Ryosuke Isono, Kazuki Naganuma, Shunsuke Ono, “Robust Spatiotemporal Fusion of Satellite Images: A Constrained Convex Optimization Approach”, 提出2023年8月1日, https://arxiv.org/abs/2308.00500 *arXivのWebサイトにリンクします

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