プロジェクションマッピング技術を活用した新しい襖製品の研究開発
谷元フスマ工飾株式会社様におけるIoT技術を活用した製品開発事例(株式会社eftax)

IoTシステムの導入目的

襖の動きに合わせて柄が投影される新製品の開発。

弊社の担当範囲

  • IoTデバイスの開発
  • Androidソフトアプリケーションの研究開発・制作
    (襖の動きをセンサーで検知し、襖の移動量に合わせてデザインした柄を投影させるシステムの研究開発。)

谷元フスマ工飾株式会社ご担当者様の声

付加価値のある襖をはじめとした間仕切りを通して、空間価値の向上に取り組まれている谷元フスマ工飾株式会社様。アイデアマンである谷元社長が今回手掛けた新製品には、既成概念を覆されるショックがありました。IoT導入の背景からアイデアが製品として形になるまでの過程を、今まさに研究開発の現場にいる谷元亨社長に伺います。

変わらなければいけない。問い続けた新しい襖の在り方

元来襖屋といえば、山や川、木といった伝統的なモチーフが刷られた襖紙と引手、縁を組み合わせて販売するというのが事業形態でした。しかし、時代の流れで和室は減少。今のインテリアに合う襖を模索する中で、インクジェットプリント技術を活かしたモダンなデザイン提案や、引手と襖紙のコーディネートを楽しめるブランド「華引手」を立ち上げる等、これまで業界では未開だった領域にも取り組んで参りました。

暮らしが洋室化していく中で、新しい襖の在り方については常に考えています。

その中でも襖の柄は、僕たちがとても大切にしているところです。家の中で襖が占める面積はかなり広い。そのデザインは、生活に大きなインパクトを与えます。

社内にはリソースが無い。新製品アイデアと見えてきた課題

次なる取り組みとして頭にあったのは、必要に応じて柄が変わる襖ができればいいなというアイデアです。自宅でプロジェクターを使っており、クオリティが上がりコストは下がってきていると知っていたので、実現できそうだなという見込みもありました。

ただし、単純にプロジェクターで模様を映すだけでは、「襖の柄」とは言えません。襖には、引いて開閉する動作があります。その動きに合わせて映した柄もそこに描かれているかのように動いて欲しい。僕が元々ITの出身なので、IoT技術がこのアイデアを可能にするのではないかというところまでは思い付きました。しかし、弊社にそのリソースはなかったのです。

アイデアとそれを形にする技術。結びつけたのは信頼性

そこで思い浮かんだのが、八尾市のものづくりコミュニティー「みせるばやお」で知り合いIoT関係を得意にされていると話を伺っていたeftaxの担当者さんです。企業同士のイベントやお子様向けのワークショップを通して人柄も含めよく知っており、信頼感がありました。

相談してみると、「大丈夫ですよ。できます、できます。」と。凄く技術のことを信用している方なので、そんなeftaxさんができると言うならきっとできるのだろうと。そんなところからこのプロジェクトが走り出しました。

異業種だからこそ生まれるイノベーション

製品化を目指すにあたり襖の動きの計測方法を画像処理からセンサー方式に変更をしたり、プロジェクションマッピングの第一選択肢である高速コンピュータではなくAndroidソフトアプリケーションを採用したりと、現在の方法は実は既に2、3案目。試行錯誤を繰り返し、当初思い描いていたものを一つ一つ形作っていく研究開発の現場に今立っています。

しかしながら、難しさや苦労は今のところ感じてはいません。僕は色々考えるのは好きなのでアイデアや襖屋としての知識を言うだけで、IoT等の技術面は安心してお任せしています。

襖の構造や襖が空間の中にどう収まっているかといった様に僕は襖屋からの視点で考えますし、eftaxさんからはIoTやプロジェクションマッピングの技術の観点から考察がなされます。それぞれの知見を合わせ検証しないと実際の形にはならないのです。ここに協働の意義があります。

例えば、センサーで襖の動きを捉える仕組みに関するeftaxさんからの提案に対し、襖の構造に明るい僕が気付いたことを話す。それが、センサー取り付け位置の改善につながったこともありました。

実際に開発を進めていく中で、こうして新たなアイデアも湧き上がっているのです。

IoTと襖。言わばハイテクとローテク。対局にあるように見えるものこそ、掛け合わせた時の面白さと事業としての可能性があると思っています。

制約が外れ、広がるアイデア

まだ開発段階ではありますが、アイデア出しの幅が広がったなという感覚は既に掴んでいます。制約が一つ無くなった感じですね。

実はもう次のアイデアが頭にはあります。今までなら思い付いても「これはちょっとうちには無いリソースだから無理やな」とやめていたことも、「もしかしたら相談したら形になるんじゃないか」と前に進めるのはeftaxさんがいるからこそだとありがたく思っています。

IoTの普及はアイデアを形にするチャンス

IoTの技術が本当に身近になってきました。今までだったら大きな会社さんがお金をかけて開発するものでしたが、廉価で製品レベルにできるツールも人材もどんどん出てきています。これまでは思い付いても実現できなかったものを「もしかしたらIoTで叶うかも」という視点は、中小企業にとっても大切だろうと思っています。

IoTってどこに相談して良いのか、多くの中小企業には分からないんですね。信用の置ける人でないと相談ってできないですから。

数多く顔を合わせイベント内で共にワークもしている中でeftaxさんには信頼があったので、襖、プロジェクター、そしてeftaxさんの顔が浮かび重なり合って、このプロジェクトは始まりました。

思い付けばすぐ相談してみた方がいい。とりあえず聞いてみてください。できるかできないかはeftaxさんが応えてくれますから。

弊社担当者より

株式会社eftax インターンシップ生 佐々木 眞帆

「機械を動かすということに憧れがありプログラミングを始めました。中でも、大学でのイベントを機に興味を持っていたのがプロジェクションマッピングです。大学院のメンターとして来ていたeftax社員に声を掛けられたのが、このプロジェクトに参加したキッカケでした。

Androidアプリ開発はやったことがなかったので一番苦労したところです。Bluetooth通信を安定させるにはどうすれば良いかと試行錯誤し、eftax社員からの助言でデバイスを変えてみたところ希望の結果が得られました。

これまでは自分の趣味の範囲で終わっていたプログラミングが、谷元社長のご要望を取り入れ、eftax社員と協力しながら、ちゃんと一つの形にできあがっていくという経験を積めたのが私にとって一番大きいです。

製品として発表できるよう引き続き頑張っていきます。」

谷元社長のコメント
「この取材で質問されるまでインターン生だからどうだとか考えたこともなかったです(笑) それほど佐々木さんを信頼しています。
インターン生に足りないものって沢山あると思います。しかし、もう技術においてはインターン生だから足りないだとかいう話では無くなっている。そこさえしっかりしていれば全く問題は無いです。
また、個人と契約するのは未知の部分がありますが、法人のeftaxさんと契約しインターン生の方が担当される形なのでそこは大丈夫だろうと。実際、技術面やコミニケーション、実務的なところに至るまで会社としてのフォロー体制があり、今回のプロジェクトも安心感を持ちながら進んでいます。
一所懸命やってくれていますし、技術面のことは佐々木さんにすっかりお任せしています。」